日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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多くのチップ形式で得られたトランスクリプトーム解析結果の、パラメトリックなフレームワークによる統合
*小西 智一
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p. 0191

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抄録
マイクロアレイで得たデータを解析するための、パラメトリックなフレームワーク*を紹介する。マイクロアレイはトランスクリプトームを網羅的に解析するためによく使われており、複数の種類のチップと検出方法が用いられる。ところが、しばしばチップの種類によって異なる測定結果が得られ、それぞれの測定結果の信頼性に疑問が呈されている。こうした測定結果の不一致は、多く、それらのチップが異なるフレームワークで数値処理されていることに起因する。これまでに多様な考えに基づいて様々なフレームワークが提出されているが、それらは科学的な・統計学的な裏づけを欠いていたため、得られたデータには一般性がなかった。ここで紹介するのフレームワークはパラメトリックな統計学と、細胞のトランスクリプトーム形成を説明する熱力学モデルに準拠するものである。これを使って、複数のスライドグラスタイプのチップおよびGeneChipのデータが一致することを確認した。これまでのフレームワークを用いた例との比較結果とともに紹介する。

*データの解析には仮定・理論・考え方といった前提が必要である。ここではその前提をフレームワーク(Intellectual Framework)と称する。
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© 2009 日本植物生理学会
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