抄録
マイクロアレイ技術の普及に伴い、公共のデータベースには多くの遺伝子発現データが蓄積してきた。共発現する遺伝子間には機能的関連が期待できることから、共発現遺伝子群を用いて実験ターゲットを絞り、遺伝子破壊等で機能同定を行う研究手法が近年増えつつある。
我々は植物ではシロイヌナズナ(ATTED-II, http://atted.jp)、動物ではヒト、マウス、ラット(COXPRESdb, http://coxpresdb.hgc.jp)について遺伝子共発現データベースを公開している。遺伝子共発現の指標には、通常ピアソンの相関係数が用いられるが、この2つのデータベースでは2008年3月(ATTED-II ver. 5.0及び COXPRESdb ver. 3.0)から相互ランクMRを採用している。
本演題では、この共発現指標MRについて我々が見出した以下の特長を発表する。
・ 遺伝子機能予測能が高いこと
・ GeneChipの数や補正法、また遺伝子の種類に依存しないこと
・ 疎なネットワークの描画が可能であること