日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナmyo-イノシトールモノフォスファターゼの遺伝子発現と機能の解析
佐藤 祐子矢澤 克美岩井 宏暁石井 忠*佐藤 忍
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0213

詳細
抄録
myo-イノシトールは、生体膜のリン脂質成分や細胞壁多糖の前駆物質として、グルコース6 リン酸から合成され、この最終ステップを触媒する酵素がmyo-イノシトールモノフォスファターゼ(IMP)である。myo-イノシトール合成経路には、グルコース6リン酸からmyo-イノシトール 1 リン酸を経て新規合成される経路以外に、生体膜リン脂質の一部であるホスファチジルイノシトール(PI)からリン酸が外れてmyo-イノシトール3リン酸(IP3)となり、再合成されるリサイクル経路が存在する。これまで、植物では、これら合成経路に関わる遺伝子群とIMP遺伝子についての詳細な解析は進んでいない。そこで、ヒトのIMPのアミノ酸配列と比較して相同性の高いシロイヌナズナのIMP-like遺伝子を3種類同定し、これらの遺伝子とその関連遺伝子群についての詳細な解析を行った。また、これまでに、AtIMP-like3遺伝子欠損ホモ個体では、胚発達が非常に初期に停止する事が明らかとなっているため、生殖器官における遺伝子発現パターンに着目した。その結果、AtIMP-like遺伝子の生殖器官における発現パターンは、新規合成経路の関連遺伝子ではなく、リサイクル経路の関連遺伝子のパターンと一致していた。このことから、AtIMP-like遺伝子はPIからのリサイクル経路で働き、種子発達に重要である可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top