日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体bil5におけるエピジェネティック変異と情報伝達下流の解析
*中野 雄司山上 あゆみ辻本 雅文Joanne Chory浅見 忠男
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p. 0457

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抄録
ブラシノステロイドは発生・成長・生殖などの植物生長の様々な過程で重要な生理機能を発現している。本研究は、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brzを用いた化学遺伝学(ケミカルジェネティクス)により、ブラシノステロイド情報伝達機構の解明を試み、それらによる植物栄養成長期制御の分子機構の解明を目的としている。
暗所Brz存在下発芽において、胚軸が矮化し子葉が開く、暗所光形態形成を示さない胚軸徒長形質bil (Brz-insensitive-long hypocotyl)変異体は、ブラシノステロイド情報伝達の活性型突然変異体であると考え、細矮性slender dwarf様の特徴的な矮性形質を示す半優性形質のbil5を単離した。bil5遺伝子領域にはbisulfite sequence等によりエピジェネティック変異を同定し、この変異候補遺伝子の高発現体においてbil5形態が再現されたことから、変異遺伝子の同定に至ったと考えられた。また、受容体変異bri1-5bil5の二重変異体におけるエピジェネティック変異の検出、bil5変異体におけるブラシノステロイド応答性遺伝子群の高発現などから、bil5原因遺伝子はBRI1下流のブラシノステロイド情報伝達因子として機能する可能性が考察された。
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© 2009 日本植物生理学会
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