日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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キクタニギクの光周性花成誘導機構の解析
*小田 篤久松 完
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p. 0493

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抄録
短日植物であるキクでは花成における限界日長に系統間差が存在する.我々は二倍体野生ギク,キクタニギク(Chrysanthemum seticuspe f. boreale)の中で,約12時間の限界日長を持つNIFS-3系統と約13時間の限界日長を持つMatsukawa-1系統を材料として花成制御機構の解明を試みた.キクタニギクよりFT/Hd3aと相同性を示すCsFTL1, CsFTL2およびCsFTL3を単離した.さらにAP1と相同性を示すCsAFL1およびCsM111を単離し,LFYと相同性を示すCsFLを単離した.FT-Like遺伝子の中で,CsFTL3は両系統において,日長の短縮に従って葉で発現が誘導された.花成が誘導される短日条件において,茎頂部におけるCsAFL1の発現が上昇した後,CsM111CsFLの発現が上昇する傾向が見られた.限界日長付近におけるCsAFL1CsM111CsFLの発現パターンはNIFS-3系統とMatsukawa-1系統において差が見られた.以上の結果からキクタニギクにおける,光周性花成誘導時の葉と茎頂部における花成関連遺伝子の動態について考察する.
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© 2009 日本植物生理学会
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