日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物でのカルモジュリンによるMAPKK非依存的なMAPK活性化機構の解析
*高橋 史憲溝口 剛吉田 理一郎市村 和也篠崎 一雄
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p. 0551

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抄録
MAP kinase cascadeは真核生物に広く保存されているシグナル伝達系の一つであり、高等植物においては環境ストレスや病原菌に対する適応に重要な役割を果たす事が報告されている。本研究は20遺伝子存在するシロイヌナズナのMAPKの1つMPK8に着目し解析を行った。MPK8はサブグループDに属し、MAPKKによるリン酸化部位が高等植物にしか存在しないTDYモチーフを持つ。Yeast two-hybrid、BiFC assay、in tube assayの結果からMPK8はカルモジュリン(CaM)と特異的に結合し、活性化されることを明らかとした。またCaMによるMPK8の活性化には、TDYのリン酸化は関与しないことをin vitroにおいて示した。一方、MPK8は既存のMAPKKであるMKK3によっても活性化されることがin plantaにおいて示し、CaM,MKK3-MPK8はWoundingシグナルに関与することも明らかとなった。カルモジュリンとMKK3の両方で活性化されるMPK8の制御機構について議論する。
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© 2009 日本植物生理学会
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