日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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DNA結合タンパク質タグを利用したプラスチド核様体のプロテオーム解析
*寺沢 公宏佐藤 直樹
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p. 0732

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抄録
植物を特徴づけるオルガネラである色素体は、植物の発達に従って、質的にも量的にも様々に変化する。色素体核様体は、120~150kbpの2本鎖環状の独自のDNAと、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼなど様々なタンパク質を含む複合体である。従来法による色素体核様体精製では、色素体を界面活性剤で可溶化後の沈殿に、疎水性の膜タンパク質や光化学系のタンパク質が混入する問題があった。本研究ではこの問題を解決するため、PENDタンパク質のDNA結合ドメインとGFPとの融合タンパク質が、色素体核様体に局在することを利用して、核様体をアフィニティ精製した。PEND-GFP形質転換体のロゼット葉、子葉、根から抗GFP抗体を用いて色素体核様体を精製した。泳動分離後、MALDI-TOF-MSを用いたペプチドMASSフィンガープリンティングにより、構成タンパク質を解析した。その結果、従来法での色素体核様体では38%あった膜タンパク質のコンタミネーションが3%以下に減少した。
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© 2009 日本植物生理学会
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