日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケのPPRタンパク質のDYWモチーフはリボヌクレアーゼ活性を持つ
井手 瑞樹田崎 瑛示杉田 千恵子*杉田 護
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p. 0736

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抄録
植物に普遍的に存在するペンタトリコペプチドリピート(PPR)タンパク質は、植物オルガネラの機能発現、器官の発生や分化など幅広い植物生理現象に関わる重要なタンパク質である。PPRタンパク質はRNA結合能をもつPPRモチーフ以外に、様々な機能未知の保存配列モチーフをもつことが知られている。最近、我々はシロイヌナズナとイネのPPRタンパク質のC末端に存在するDYWモチーフが新規のRNA分解活性を有することを明らかにした(Nakamura and Sugita, FEBS Lett. 2008)。このような性質がDYWモチーフに共通したものかどうかを検討するため、ヒメツリガネゴケの10種のPPRタンパク質に存在するDYWモチーフの組換えタンパク質を作製し、11種類のRNA配列を基質に用いてRNA分解活性の有無を調べた。その結果、PpPPR_71はすべての基質RNAを分解したのに対して、PpPPR_56とPpPPR_77はある1種類の基質RNAのみを分解したが、それ以外の基質RNAを分解しなかった。これらの結果は、必ずしもすべてのDYWモチーフがRNA分解活性を有しているわけではないことを示唆している。RNA分解活性をもつことが判明した3種のPpPPR_56、PpPPR_71、PpPPR_77のDYWモチーフについて、さらにRNA分解活性の特性の相違について検討したのでその結果も報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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