日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トウモロコシ葉緑体型CuZn-SODの発現制御機構
*金松 澄雄日並 佳子謝花 まどか松谷 直樹
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p. 0789

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抄録
近年、ArabidopsisのmicroRNA, miR398がCuZn-SODを転写後制御していることが明らかにされ、miR398がストレス応答や銅代謝に関与していることが示された。miR398の標的配列はCuZnSODの保存されたコード領域にあることから植物のCuZn-SODは同様の調節を受けている可能性がある。しかしながら、トウモロコシでは(1)葉緑体型CuZn-SOD (SOD-1)は酸素発生のない維管束鞘葉緑体にのみ存在し、葉肉細胞葉緑体には無い。(2) Fe-SODの活性が検出できず、低濃度Cu応答におけるFe-SODのCuZn-SODに対する代替的役割は期待できない。これらのことから、SODのmiRを介した制御機構が異なっていることも考えられる。我々はSOD-1遺伝子やFe-SODのcDNAを明らかにしており、ここではSOD遺伝子の発現調節機構の解明を目的して、SODの金属や環境ストレスに対する応答を検討した。SOD-1遺伝子にはCu応答エレメントTnnnGCTGがプロモータに存在し、またmiR398と19/21マッチする配列が第4エキソンにあった。幼植物を高Cu処理および低Cu処理し、また同様にFe処理もおこない、CuZn-SODとFe-SODの応答を現在、検討している。さらに、低温、乾燥、MVなどの影響も調べたのでmicroRNAの関与の観点から考察する。
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© 2009 日本植物生理学会
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