日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ナス科植物体のRalstonia solanacearum感染時における病害抵抗性反応について
*岩城 俊雄平野 恵美太田 大策
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p. 0951

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抄録
植物病原細菌Ralstonia solanacearumによって引き起こされる青枯病はナス科の主要な作物植物に被害を与え,農業生産上の大きな問題となっている。その病徴である萎凋症状は,植物通道組織中で増殖した菌体が,菌体外多糖類を生産し,通道組織中の水分移動が阻害されることが原因とされている。これまでに,植物体に対するR. solanacearumの感染メカニズムについては,ゲノム解析を含めて多くの研究成果が報告されている。一方,植物体における防御反応機構と抵抗性誘導については不明な点が多い。
R. solanacearumの非親和性菌株を台木用ナス植物に接種すると、葉脈成長の停止と導管部分の木化誘導が特異的に起こる。これは、病害抵抗性反応として誘導されるケイ皮酸モノリグノール合成経路の特異的活性化の関与を示唆している。そこで本研究では、病原菌感染に伴う抵抗性反応の分子メカニズムを解明することを目的とした。台木用ナスである赤虎を播種後,4週目の本葉に対して,ハサミで切断することによって非親和性および親和性のR. solanacearum株培養液を感染させた.感染部位について,病原菌感染に引き続いて起こる抵抗性反応時に合成されると考えられる二次代謝産物をLC-MS等により分析した.その結果について、ケイ皮酸モノリグノール経路などの代謝中間体物の解析について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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