日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物免疫信号伝達系におけるセロトニンの機能解析
*藤原 幹, Sylvie Maisonneuve, 一色 正之, 水谷 正治, 川崎 努, 島本 功
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p. 0978

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抄録
植物は、自身への病原菌の侵入を認識することによって、細胞死を含む抵抗性反応を誘導し、病原菌の感染や伝播を防いでいる。イネのsl (Sekiguchi-Lesion)と呼ばれる疑似病斑形成変異体は非感染状態において細胞死を誘導し、いもち病や白葉枯病に対する抵抗性が上昇していることが報告されている。本研究室において、原因遺伝子SLを単離した。SLはCYP71サブファミリーに属するP450をコードしており、tryptamine-5- hydroxylase (T5H) 活性を有し、セロトニンを生成する。セロトニンは動物では神経伝達物質としてよく研究されているが、植物における生理的作用はほとんど報告がない。SLはエリシターによって発現の増加を示すことから、T5Hの生成物であるセロトニンが植物の抵抗性に関与することが示唆された。セロトニンをイネ培養細胞に処理することによって抵抗性反応を誘導するかを検証した結果、細胞死および防御関連遺伝子の発現を誘導し、植物免疫における新規のシグナル伝達物質としての機能を有することが示唆された。この発現誘導は野生型と比較して、OsRac1相互作用因子のRNAi培養細胞においては抑制され、セロトニン誘導性の免疫機構において、OsRac1の関係した経路が重要であると考えられる。現在、植物体への病原菌の感染を、セロトニンが抑制できるかを検証している。
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© 2009 日本植物生理学会
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