日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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Synechocystis sp. PCC6803における sll1330 によるグルコース代謝関連遺伝子群の発現調節
光井 麻優香*岡田 克彦堀井 瑛介鷲尾 薫松浦 葉月都筑 幹夫
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p. 0008

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抄録
Synechocystis sp. PCC6803の解糖系遺伝子 fructose-1.6-bisphosphate aldolase (fbaA) は、連続光照射条件下でもグルコース存在下の5分間光パルスの間欠光条件下でも転写が誘導される。しかし、 sll1330 欠損変異株では、連続光照射条件下ではfbaAは発現するが、5分間パルス条件下では発現しない。sll1330の遺伝子の発現量は、グルコースを含まない培地中では低下し、グルコース添加すると光の有無にかかわらず30分後には5倍以上に上昇した。sll1330の遺伝子のプロモーター部分を改変し、sll1330がグルコース非添加でも強く発現するように増強した遺伝子改変株を作製し、野生株と比較した。無機培地での独立栄養的な生育、完全暗所での従属栄養的な生育にも差が見られなかった。グルコースの非存在下での5分間パルス条件下でのfbaAの遺伝子発現は、野生株と比べて増加していた。このことから、sll1330が発現していれば光シグナルのみでfbaAが発現することが示唆された。ウエスタンブロッティングによるSll1330タンパク質の定量を試みた結果、細胞内での存在量は非常に微量であると示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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