日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ICE1と相互作用するMYC67, 70, 71は低温応答の負の制御因子である
*太田 賢Zhu Jian-KangHasegawa Paul M.三浦 謙治
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p. 0051

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抄録
ICE1は低温シグナル伝達系において最上流に位置する転写因子で、DREB1A及び低温誘導性遺伝子の発現誘導と低温耐性に関与している。我々は、ICE1 の詳細な機能調節を明らかにするために、酵母 two –hybrid 法でICE1と相互作用する因子を単離した。その中には、MYC67, 70, 71が含まれていた。myc67, 70, 71変異体は野生株より凍結耐性が向上していた。また、myc67, 70, 71変異体では、低温によるDREB1A/CBF3の発現誘導が野生株より高く維持されていた。最近の研究成果から、ICE1 は気孔の形成過程にも関与していることが明らかになった。そこで、気孔形成を調べてみると、myc67, 70, 71変異体は気孔の形成過程や形態に異常が見られなかった。ただし、myc71変異体では野生株と比べて気孔の数が増加していた。以上の結果から、MYC67, 70は低温応答特異的な負の制御因子、MYC71は低温応答と気孔数の制御の両面において負の制御因子として機能していると考えられる。
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© 2010 日本植物生理学会
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