日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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OsPti1aは細胞膜に局在することで耐病性を負に制御する
*松井 英譲山崎 宗郎加星(岸) 光子宮尾 安藝雄高橋 章廣近 洋彦
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p. 0080

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抄録

イネの病害抵抗性シグナルを負に制御するOsPti1aの生理機能を明らかにするため、細胞内局在について解析した。OsPti1aは、主に細胞膜上のシグナル伝達に重要な足場として知られるdetergent resistant membrane (DRM) 画分に存在し、さらにリン酸化されていることが明らかとなった。このことから、OsPti1aは細胞膜上でリン酸化による制御を受けて機能している可能性が示唆された。OsPti1aのN末端にHA-strepIIタグを付加した場合、ospti1a変異体の表現型を相補しない。OsPti1aのN末端には脂質修飾を受けうる保存されたアミノ酸配列が存在していることから、この領域がOsPti1aの細胞内での局在に影響を与えている可能性が考えられた。そこで、N末端配列が局在に及ぼす影響ついて解析した結果、N末端を欠損させたOsPti1aは細胞膜ではなくCytosolに存在することが確認された。このことから、OsPti1aの膜局在にはN末側配列が必須であり、膜に存在することが抵抗性シグナルの制御に重要であることが示唆された。さらに、粗ミクロソーム画分に存在するOsPti1aは、250-450kDaの分子量にシグナルが検出された。OsPti1aの予測分子質量は約40kDaであることから、細胞膜上において複合体を形成していることが示唆された。

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© 2010 日本植物生理学会
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