日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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Synechococcus elongatus PCC 7942のlow-CO2応答性転写制御因子CmpRの認識配列の探索
*原 拓人西村 崇史前田 真一小俣 達男
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p. 0140

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抄録
ラン藻の炭酸同化はCO2濃縮機構(CCM)を介して極めて効率的に行われる。また、CCMはCO2欠乏に応答して活性化される。Synechococcus elongatus PCC 7942においては、LysR型転写制御因子CmpRが、高親和性HCO3-輸送体BCT1をコードするcmpABCD、Na+依存性高親和性HCO3-輸送体SbtAをコードするsbtA、NDH-I3脱水和酵素複合体をコードするndhF3D3chpYなど、CCMに関わる遺伝子の転写を調節する。cmpABCDオペロンの制御領域は950bpの長大なもので、CmpRがこの領域に複数の結合部位をもつことがゲルシフトアッセイによって示されている。また、この領域にはCmpRのホモログであるCbbRの結合モチーフが7つ(cmp1~cmp7)あり、そのうち3ヶ所(cmp3,5,6)の塩基置換はCO2欠乏への応答を阻害する。今回、cmp3,5,6とCmpRの結合を、塩基置換とゲルシフトアッセイによって調べたところ、cmp3,6の改変はCmpRの結合に影響を及ぼさなかった。このことからCmpRはCbbRモチーフ以外のDNA配列を認識していることが示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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