日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

形態形成と抵抗性反応関与するシロイヌナズナuni-1Dとその相互作用因子RPT2aとの分子遺伝学的関係
*鄭 貴美田坂 昌生
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0256

詳細
抄録
我々の研究室ではシロイヌナズナ、半優勢変異体uni-1Dについて研究を進めている。UNI遺伝子は病原菌感染時その認識と抵抗応答シグナル伝達に関与すると言われているCC-NBS-LRRタンパク質をコードしている。 そして、機能獲得型uni-1D変異体では、抵抗性反応マーカ遺伝子が恒常的に発現しているだけではなく、様々な形態異常、例えば異所的腋生分裂組織の形成、初期のSAM活動の停止、葉の形態異常などがみられた。しかし、uni-1Dがこれらの現象を引き起す分子機構は不明である。その活性メカニズムを明らかにするため、まず、yeast two hybrid screeningを行ったところ、UNIと相互作用するタンパク質として26s proteasomeサブユニットの一つであるRPT2aが単離された。rpt2aの変異体は単独でも葉序の乱れ、根の成長の遅延などの形態異常が見られた。一方、uni-1D変異体と交配させたところ、ヘテロ接合体に対しては、特に初期の異所的腋生分裂組織の形成に対し抑制効果を示した。さらに、栄養生長期の初期段階で致死に至るuni-1Dホモ接合体に対しては、致死を抑え強い形態異常を部分的に回復させた。現在、RPT2との相互作用がどのようにuni-1D変異体での形態異常に影響するかについてさらに詳しく解析中である。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top