抄録
我々は、植物ゲノム比較データベースであるSALAD database(http://salad.dna.affrc.go.jp/salad/)を作成、公開してきた。SALAD databaseでは、進化において保存された連続アミノ酸配列(モチーフ)の組み合わせによりタンパク質を分類し、類似性を指標とした関係をビジュアルに表示することができる。最新のver.3では10種(イネ、ソルガム、シロイヌナズナ、グレープ、シダ、ヒメツリガネゴケ、緑藻(2)、紅藻、酵母)のデータの比較解析が可能である。このSALAD databaseは、マイクロアレイのデータの表示にSALAD on ARRAYsというビュワーを備えている。このビュワーは、Agilentアレイ解析での発現量を色の濃淡で表示し、ユーザーが注目する遺伝子とパラロガスな(もしくは類似性が高い)遺伝子間の発現比較が一画面で簡単に行えるという他のデータベースには無い特長をもつ。今回、グラフ作成機能、アレイセット選択機能、表示順序変更機能を追加したので、報告する。また、今回新たにAtGenExpress(Affymetrix)のシロイヌナズナの783公開マイクロアレイデータ(29実験)の追加表示を進めている。この表示にはAgilentとAffymetrixのプラットフォームの違いを検討する必要があり、現在、比較実験も含めて解析を進めている。