日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの根端分裂組織の発生におけるCLEペプチドの役割
*山田 昌史福田 裕穂澤 進一郎
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p. 0417

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抄録
CLAVATA3(CLV3)ペプチドは茎長分裂組織の大きさを制御するペプチドとして知られている。CLV3ペプチドはCLV1、CLV2などの受容体を介しWUSCHEL(WUS)遺伝子を負に制御する事によって茎長分裂組織の大きさを制御している。CLV3などのCLEペプチドは茎長だけでなく根端分裂組織の発生を制御している事が示唆されている。CLE遺伝子の過剰発現あるいは高濃度のCLEペプチド投与により根の伸長は著しく阻害され、根端の分裂組織の縮小が見られる。また、茎長分裂組織で受容体として働くclv2突然変異体はCLE遺伝子の過剰発現やCLEペプチドの投与に強い耐性を示し、根の伸長阻害が起きない。これらの結果から根端においてもCLEペプチドがCLV2などの受容体を介して根端領域の制御している事が示唆されていた。しかし、CLEペプチドがどのような遺伝子を制御する事によって根端領域の制御をおこなうか未だに良く分かっていない。根端分裂組織の形成にはオーキシンやサイトカイニンなどの植物ホルモンやその下位にある遺伝子が必要である事が知られている。本研究ではそれらの遺伝子とCLEペプチドの関係を調べた。その結果、CLEペプチドはサイトカイニンよりもオーキシンに関係する遺伝子の発現制御している事が明らかになった。
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© 2010 日本植物生理学会
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