日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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光化学系複合体の超分子構造の解析
*渡邉 麻衣久保田 寿子和田 元成川 礼池内 昌彦
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p. 0433

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抄録
Blue-native (BN) PAGEは膜タンパク質複合体の解析によく用いられる手法である。泳動システムに界面活性剤を用いないため、生体内により近い状態で複合体を分離することが出来ると考えられる。これまでに我々はBN-PAGEを用いた解析から、好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatus BP-1の光化学系II(系II)複合体が、生体内では脂質による緩やかな二量体を形成しており、高濃度の界面活性剤で可溶化すると、界面活性剤が脂質に代わり、系II複合体の二量体構造を安定化することを示した(Watanabe et al 2009 Plant Cell Physiol.)。今回我々は、BN-PAGEにより、常温性シアノバクテリアと真核藻類の光化学系複合体の超分子構造について解析を行った。チラコイド膜をn-dodecyl-β-D-maltosideで可溶化し、BN-PAGEを行った。その結果、系II複合体にはT. elongatusと同様に、二量体と単量体の二つの構造が存在した。一方、光化学系I複合体には既知のシアノバクテリアで知られている超分子構造とは異なり、生物による多様性が見られた。生物による系I複合体の多様な構造について議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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