日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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Synechococcus elongatus PCC 7942のマーカーフリー遺伝子置換によるCP47のヒスチジンタグ付加と光化学系II複合体精製への応用
加世田 淳原口 典久長濱 一弘*松岡 正佳
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p. 0490

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抄録
マーカーフリー遺伝子置換は薬剤耐性マーカーの数に制限を受けることなく、染色体遺伝子を改変する方法として有用である。この方法を利用してシアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942において光化学系II(PSII)の精製を容易にするためのアフィニティータグの導入を行った。
PSIIのCP47サブユニットのC末端にヒスチジンタグ(histag)を付加するため、S. elongatus PCC 7942 R2-SPc株のストレプトマイシン耐性株GRPS1(rps12-R43)を親株として2段階形質転換を行った。CP47をコードするpsbB遺伝子はpsbB-psbTオペロンを形成しているため、psbB遺伝子の3’側に[rps12-kan]カセットを挿入したGRPS800株だけでなく、psbT上流にpsbBプロモーターを挿入した組換え体GRPS801も作成した。次に2段階目の形質転換によって[rps12-kan]カセットを除去し、マーカーフリーとしたGRPS810株を作成した。チラコイド膜可溶化タンパク質を金属キレートアフィニティークロマトグラフィーで分析した結果、GRPS810組換え体はCP47-histagを利用したPSII複合体の1段階精製に適した株であることが示された。
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© 2010 日本植物生理学会
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