2021 年 2 巻 p. 70-77
現在、医薬品開発の世界において生体試料中の薬物濃度測定(バイオアナリシス)を対象にした規制文書が多くの国・地域で公示されており、又、間も無く国際的にハーモナイズされたガイドライン(ICH M10)も制定される見通しである。一連の規制文書には適切な生体試料分析を実施する為のナレッジが詰め込まれており、医薬品開発以外の領域でも役に立つ内容に成っている。本稿では、バイオアナリシスの規制内容を理解する為の基礎的な事項を品質試験と対比させて説明する。又、医薬品開発の限定された試験のみに適用されるバイオアナリシスガイドラインを、対象外の試験や医薬品開発以外の領域に活用する為の考え方についても解説したい。