日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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高等植物特異的キネシンTBK5のタバコ培養細胞BY-2における局在と役割
*三上 宗一大津寄 佑香安原 裕紀後藤 悠平浅田 哲弘
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p. 0582

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抄録
TBK5はタバコ培養細胞BY-2で恒常的に発現する高等植物特異的キネシンである。先行研究(Goto and Asada, 2007)により、BY-2細胞のプロトプラスト内にTBK5と蛍光タンパク質GFPの融合タンパク質(以下、GFP-TBK5)を一過的に過剰発現させた場合、GFP-TBK5は放射状の微小管を生じる集合体を形成することが示されており、このことからTBK5が微小管の重合核形成や分布制御に働く可能性が考えられる。私たちは、TBK5の細胞内分布を探るため、GFP-TBK5の発現を誘導できる形質転換BY-2細胞株を作製し、細胞内におけるGFP-TBK5の局在を調べた。その結果、間期の細胞では、GFP-TBK5は核周辺や原形質糸中の微小管、表層微小管、プレプロフェーズバンド微小管と共局在することがわかった。また、分裂期の細胞では、GFP-TBK5は紡錘体やフラグモプラストの微小管と共局在することがわかった。ただし、少なくともフラグモプラストにおいては、GFP-TBK5は微小管に沿って均一には分布せず、マイナス端側に偏在していた。この分布様式はγ-チューブリンの分布様式に似ている。冒頭で述べた可能性をさらに検討するため、現在、RNA干渉により内在TBK5の発現を抑えたBY-2細胞に見られる異変を解析している。
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© 2010 日本植物生理学会
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