抄録
14-3-3タンパク質は、タンパク質間相互作用を媒介することや、標的タンパク質の幅広さが明らかになり注目を浴びている。本研究では、酵母ツーハイブリッド実験法で、ABAによる遺伝子発現を正に制御するAREB/ABF転写因子群(AREBs)と最も強い結合反応を示したシロイヌナズナのGF14λに着目し、シロイヌナズナの葉肉細胞を用いたBiFC法により相互作用を調べた。ダイマー形成実験では、GF14λのホモダイマーは観察できたが、GF14λと最も相同性が高いGF14κとのヘテロダイマーは観察することができなかった。またAREB1、AREB2、ABF3と14-3-3タンパク質との相互作用を調べた結果、GF14λはAREBsとの相互作用を観察することができたが、GF14κとAREBsとの相互作用は確認できなかった。続いてGF14λの外部リガンド部分に突然変異を導入しAREBsとの相互作用を調べたところ、突然変異GF14λとAREBsの相互作用は見られなくなった。以上の結果から、GF14λとAREBsとの相互作用の特異性は非常に高いこと、シロイヌナズナ葉肉細胞でのBiFC法が14-3-3タンパク質の相互作用を調べるために有効であることが示唆された。