日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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クロマツにおけるマツノザイセンチュウ生体防御関連遺伝子の発現プロファイリング
*平尾 知士渡辺 敦史
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p. 0696

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抄録
現在、日本のクロマツおよびアカマツではマツノザイセンチュウによる松枯れが深刻な問題となっており、抵抗性個体の選抜が急務として進められている。すでに幾つかの抵抗性個体は選抜されており、抵抗性因子の特定に向けてQuantitative Resistance loci(QRL)のマッピングやSuppression Subtractive Hybridization(SSH)といった解析が進められているが、依然として決定的な情報は得られていない。現在、我々は抵抗性に関与する遺伝子を単離するために、生体防御反応の上流遺伝子および下流遺伝子をターゲットにして解析を進めている。上流遺伝子に関しては栽培作物ですでにセンチュウ抵抗性遺伝子(Nematode resistance gene; NR-gene)が単離されており、それらの遺伝子の多くがNucleotide Binding Site-Leucine Rich Repeat(NBS-LRR)といった共通のドメイン構造を持つことから、クロマツにおいてもNBS-LRR様構造の遺伝子を単離し、抵抗性と感受性個体間における発現挙動と抵抗性形質との関連を検証している。一方、下流遺伝子に関してはセンチュウ接種後のcDNAライブラリーを構築し、抵抗性および感受性個体でセンチュウ侵入後に発現する生体防御関連遺伝子を網羅的に探索している。
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© 2010 日本植物生理学会
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