日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ブルーベリー葉における効率的なRNA抽出法の開発
*布施 拓市西脇 亜也國武 久登
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p. 0719

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抄録
ブルーベリー葉は抗酸化活性が高く、機能性食品の原料として期待されている。機能性の高いブルーベリー品種を効率的に育成するため、我々は、ポリフェノール関連遺伝子から作製したDNAマーカーを用いた選抜育種を試みている。このようなDNAマーカーを作製するには、効率的なRNA抽出法が必要であるが、ブルーベリー葉は、ポリフェノールを多く含んでいるため、RNAを効率的に抽出するのが難しい。そこで、我々は、Cetyl trimethyl ammonium bromide(CTAB)法の改良を行い、効率的なRNA抽出法の確立を試みた。ホウ酸、HEPES、MES、MOPS、PIPES、TES、Tricine、Trisの8種類の緩衝液を用い、ブルーベリー葉からRNAの抽出を行った。このうち、HEPES緩衝液やMOPS緩衝液においては、生重量1gあたり200μg以上のRNAを抽出することができた。従来使用されてきたTris緩衝液では、生重量1gあたり約80μg程度しか抽出できず、HEPES緩衝液やMOP緩衝液を使用することで、2倍以上のRNAを得ることができた。また、改良した抽出液により得られたRNAを用いて、RT-PCRを行うこともできた。現在、この改良したCTAB法により得られたRNAを用いて、cDNAサブトラクションを行い、DNAマーカー作製用のcDNA断片を単離しているところである。
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© 2010 日本植物生理学会
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