抄録
長鎖脂肪酸のエステル化やトリグリセリドのアルコリシスなどの油脂化学反応への超高圧技術の適用が紹介され, 従来技術や超臨界メタノール法と比較された。長鎖脂肪酸の過剰なアルコール中でのエステル化は圧力により非常に大きく促進され, ジクロロメタン中のエステル化では, -80cm3/molもの高い活性化体積が算出された。脂肪酸混合物のエステル化においては, 加圧により鎖長の違いに基づいた選択的なエステル化が可能である。トリグリセリドのアルコリシスにおいても, ジクロロメタンや四塩化炭素を溶媒として用いると, 反応が大きく促進され, 対応する長鎖脂肪酸エステルを高収率で与える。