日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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Arabidopsisの新規アンチセンスRNAの網羅的解析に向けて
*原田 えりみ松井 章浩川口 修治飯田 慶花田 耕介関 原明豊田 哲郎
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p. 0720

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抄録
最適な環境を求めて移動できない植物は、様々な外部環境への適応機構を持っている。我々は環境適応に寄与する新規RNAを探索するため、タイリングアレイを用いてストレス条件下におけるArabidopsisの遺伝子発現プロファイルを作成し、ゲノムワイドな遺伝子構造予測プログラムであるARTADEで解析した。その結果、多くの遺伝子座において、新規アンチセンスRNAが存在することがわかった。(Matsui et al. (2008)PCP 49:1135)
そこで、予測された新規アンチセンスRNAの存在を確定するため、いくつかの予測遺伝子について実験による検証を行った。まず、遺伝子毎に設計したストランド特異的プライマーを用いた逆転写反応を行い、RNase処理後にPCR反応を行うことで、センスRNA及びアンチセンスRNAの存在を検証した。その後塩基配列を解析して、その遺伝子構造を調べた。
この結果、新規アンチセンスRNAとして予測された遺伝子の存在を確認することができた。また、センスRNAの増加に伴い、アンチセンスRNAが存在しやすくなる傾向にあることがわかった。さらに、決定した塩基配列から、アンチセンスRNAはセンスRNAと同じexon-exon junctionを持つことがわかり、これらのアンチセンスRNAはセンスRNAを鋳型として転写される可能性があることが示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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