日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

既知遺伝子間隙に存在するshort open reading frames (sORFs)の機能解析
*堀井 陽子樋口 美栄子近藤 陽一松井 敬子川島 美香加藤 茉紗美眞鍋 勝司酒井 達也花田 耕介松井 南
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0721

詳細
抄録
我々は、既知の遺伝子の間隙に30-100アミノ酸をコードする領域がシロイヌナズナゲノム中に7,159存在することを発見した。このような領域はshort open reading frame (sORF)と呼ばれており、複数の生物種において機能を持つことが示唆されている。そこで我々は植物におけるsORFの機能解明を目指し、既知遺伝子とsORFを搭載したマイクロアレイを作成し発現解析を行っている。様々な組織(ロゼット葉、根、茎、花、さや)から抽出したRNAを用いて発現解析を行った結果、約1,500のsORFが発現していることが確認された。また、光で発現が制御されるsORFを同定するため、暗所生育させた芽生えに連続光を照射し経時的な発現解析を行い、光で転写が制御される約100のsORFを同定した。さらに一部のsORFについては過剰発現体の作製を進めている。現在までに、花のサイズや芽生えの胚軸、根の伸長に変化が生じた変異体が単離されている。これらのsORFは植物において機能し、新規の遺伝子群となるとすることが期待される。また現在、イネのsORFについても配列予測を行い、マイクロアレイによる発現解析、過剰発現体の作製を行っているのでこれらの結果も併せて報告したい。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top