抄録
内視鏡経鼻頭蓋底手術 (endoscopic endonasal skull base surgery : EESS) では, 従来の顕微鏡下では到達困難な部位まで操作可能であることから, その対象が拡大しつつあり, 実際にさまざまな頭蓋底部位・疾患への手術アプローチとその有用性が報告されている. 一方, EESSでは, これまでとは異なる外科解剖知識や内視鏡下の新たな手術手技の習得が必要である. EESSの安全性および手術成績を向上させるためには, 手術適応, 適切なアプローチ, 再建法の選択, さらに手術精度向上と不測な事態への対応力を上げるため, 耳鼻咽喉科と密接な連携が重要である.