日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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イネ由来のキネシン13遺伝子が欠失した変異体の解析
*北川 佳名子栗波 滋隠岐 勝幸真田 直美藤澤 由紀子北野 英巳岩崎 行玄
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p. 0786

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抄録
イネ種子の縦方向の伸長に関与する遺伝子として、3量体Gタンパク質αサブユニット遺伝子、ブラシノステロイド生合成パスウエイを触媒するD11遺伝子やD2遺伝子などが報告されている。昨年度、新奇種子形変異体srs3-1の変異原因遺伝子が、キネシン13グループに属することを報告した。SRS3遺伝子は12個のエキソンより構成され、全鎖長cDNAは819個のアミノ酸をコードしていた。モータードメイン領域はエキソン3からエキソン10に位置した。srs3-1は、モータードメイン領域内の第9エキソン内に1アミノ酸置換が生じていた。本年度、新たに2種類のアリルを同定した。srs3-2は、エキソン11とイントロン11のスプライシング領域に変異があり、翻訳産物はエキソン11で終結した。この変異体も短粒を結実するので、欠損したエキソン12は、機能発現に重要であることが明らかになった。srs3-3は、エキソン5内に終結コドンを生じ、大部分のモータードメイン領域を欠いていたため、ヌル変異体と考えられた。C末端側、267アミノ酸残基に対するタンパク質を大腸菌にて合成後、特異抗体を調製した。この抗体は、ウエスタンブロット解析により、約110kDaタンパク質と反応した。このタンパク質は、主に、100 kg沈殿画分に局在していた。
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© 2010 日本植物生理学会
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