日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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イネ3量体Gタンパク質αサブユニットを含む複合体の解析
*高橋 幸子松下 恵子小松 節子岩崎 行玄
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p. 0893

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抄録
3量体Gタンパク質複合体は、細胞膜に局在し、外来シグナルの細胞内への情報変換を担っている。動物や酵母由来のα、β、γの3種類のサブユニットと相同性の高い遺伝子は、イネやシロイヌナズナにも存在し、形態形成や外来シグナル応答に重要な働きをすることが明らかになってきている。しかしながら、植物3量体Gタンパク質複合体のサブユニット構成は、不明な点が多い。現在までに、植物3量体Gタンパク質複合体は、3種類のサブユニット以外にも多数のタンパク質を含むことが示唆されている。我々は、この複合体を精製することを目的とし、現在、精製のための諸条件を検討している。
細胞膜から、αサブユニットを含む複合体を可溶化する際に使用される界面活性剤を再検討した。Nonidet P-40 (NP-40), Cholic acid, Brij 35, Digitoninの順で、βγダイマーがこの巨大複合体から解離する程度が増加した。つまり、Digitoninを用いた場合、βγダイマーは、巨大複合体から完全に解離した。精製過程でのβγダイマーの解離を防ぐために、NP40で可溶化したサンプルを、disuccinimidyl suberate (DSS)を用いてクロスリンクした場合、αサブユニットとβサブユニットがクロスリンクされることを確認した。現在、このクロスリンク表品の精製を進めている。
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© 2010 日本植物生理学会
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