日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの水分屈性制御遺伝子MIZ1のヒメツリガネゴケにおける相同遺伝子PpMILの機能解析
*中村 恵武智 克彰宮沢 豊立石 千恵滝尾 進島田 昌幸高橋 秀幸高野 博嘉
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p. 0935

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抄録
植物の根は、重力、光、接触、水分等の刺激に応答して屈性を発現する。根の水分屈性は水分勾配に応答して水の多い方向に屈曲する現象であるが、地球上では水分は重力方向と同じ方向に分布し、また根が重力屈性も発現することから、水分屈性だけを解析することは困難であった。近年、シロイヌナズナを用いた水分屈性実験系を開発し、水分屈性を示さない変異体MIZU-KUSSEI1(MIZ1)を単離し、その原因遺伝子を見出している。MIZ1相同遺伝子は陸上植物には存在するものの、藍藻や緑藻、動物には存在しないことから、陸上化に伴い進化してきた遺伝子と考えられる。我々はコケ植物蘚類ヒメツリガネゴケから3つのMIZ1相同遺伝子PpMIL(MIZ1-Like)1-3を見出し、その全長cDNA配列を決定した。ジーンターゲティング法を用い、現在までにPpMIL1, 2, 3について、単一遺伝子破壊ラインを各遺伝子についてそれぞれ2ライン取得している。更に、PpMIL1/2二重遺伝子破壊ラインについて6ライン、PpMIL1/2/3三重遺伝子破壊ラインを1ライン確立した。現在、確立した破壊ラインを用いて水分勾配に対する表現型の解析を進めており、その結果についても報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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