日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナにおける植物ホルモンクロストークに関する研究
*永田 真紀伊沢 剛安田 美智子篠崎 聰仲下 英雄
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p. 0944

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抄録
植物は、病原菌のような生物的ストレスだけではなく、乾燥・低温などの非生物的ストレスにも常にさらされている。このような様々なストレスに適応するため、植物は独自の自己防御機構を発達させているが、外的なストレスにより全身に誘導される応答シグナルでは植物ホルモンが重要なシグナルとして働くことが知られている。病害応答に働くサリチル酸シグナル、病傷害応答に働くジャスモン酸シグナル、環境ストレス応答に働くアブシジン酸シグナルは相互に拮抗的関係にあり、外からの生物的・非生物的ストレスに対する応答が三つ巴の関係で相互に制御されていることが明らかになってきた。環境ストレスや病害ストレスのような刺激に対して、植物は細胞・組織レベルで各植物ホルモンの濃度を調節し、その結果起こる植物ホルモンのバランスの変動により、様々な生理作用を発揮することが考えられる。今回は、サリチル酸、アブシジン酸、ジャスモン酸処理の葉組織の植物ホルモンシグナルのバランスを遺伝子の発現を指標として明らかにするために、植物ホルモンシグナルのバランスと病傷害抵抗性に関わる植物ホルモン応答性の遺伝子発現との関係について解析した。
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© 2010 日本植物生理学会
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