レギュラトリーサイエンス学会誌
Online ISSN : 2189-0447
Print ISSN : 2185-7113
ISSN-L : 2185-7113
特集(医療機器の臨床試験から承認審査)
グローバル開発を見据えた医療機器開発と臨床評価
方 眞美鈴木 由香
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 5 巻 3 号 p. 219-226

詳細
抄録
医療機器開発は国の再興戦略のひとつとして位置付けられている.このたび,医療機器の主な特性を踏まえた迅速な実用化に向けた規制・制度の合理化を行うため,薬事法が「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」として,法整備がなされたところである.医療機器の承認審査にあたっては,ベネフィットとリスクのバランスを評価し,ベネフィットがリスクを上回る場合においてのみ,承認が可能と判断する.このベネフィットリスク評価は,薬や医療機器規制の基本的な考え方であり,国際的に共通している.医療機器は物理的作用を期待した「道具」であり,多くのひとがベンチテストや動物試験による評価で十分と考えている.しかし,医療機器は臨床使用されるものであり,臨床上の有効性及び安全性について,臨床データによる評価が必要である.市販前に求められる臨床試験について,各国の規制は様々であるが,新規性の高い医療機器開発には,臨床試験による評価が必要である.効率的な医療機器開発をすすめるために,臨床試験のデザインをどのように最適化すべきか,産官学を含めて議論していくことが重要と考える.
著者関連情報
© 2015 レギュラトリーサイエンス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top