日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナの生長における細菌エンドファイトAzospirillum sp. の影響
*安田 美智子篠崎 聰仲下 英雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0953

詳細
抄録
イネ葉組織内から単離された細菌エンドファイトAzospirillum sp.を感染させたイネおよびシロイヌナズナでは病害抵抗性が付与されることが明らかになっている。しかし、本菌が植物にどのような働きかけをすることにより耐病性が誘導されるのか等のメカニズムの詳細は明らかになっていない。そこで本研究では、Azospirillum sp.とシロイヌナズナの直接的な相互作用を見出すために、無菌栽培時のシロイヌナズナの生育にAzospirillum sp.が及ぼす影響を観察した。
1/2MS培地上で栽培させたシロイヌナズナの根に対するAzospirillum sp.処理の影響を検討した結果、播種10日後に通常根が約20 mm伸長するのに対して処理区では約2 mmまでに抑制された。種子から離れた場所に本菌を浸み込ませたろ紙を静置しても根の伸長抑制効果は認められたが、その効果は距離依存的であった。また、暗黒条件化で生育させた場合、この根の伸長阻害効果は認められなかった。以上の結果から、Azospirillum sp. は植物の生長に影響を及ぼす物質の生産を介して植物と相互作用している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top