日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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キャピラリー電気泳動/四重極-飛行時間型質量分析装置(CE-ESI-QTOF)を用いたオーキシン添加に応答する代謝産物の同時定量解析
*姉川 彩大西 美輪七條 千津子深城 英弘三村 徹郎
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p. 0012

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抄録
オーキシンは、植物の生活環すべてにおいて重要な働きをする植物ホルモンとして知られており、その生合成やシグナル伝達に関する研究は数多く見られる。しかしながら、植物個体における生理機能を、生体内物質量に基づいて定量的に明らかにする研究はあまり進んでいない。
我々はこれまでに、キャピラリー電気泳動-四重極-飛行時間型質量分析装置(Capillary Electropheresis-Electrospray-Quadrepole Time Of Flight mass spectrometry; CE-ESI-QTOF)を用いて植物生理活性物質と、有機酸やアミノ酸などの一次代謝産物を同時に定量解析する手法を確立している。このように、植物体内に含まれるイオン性物質を同時に、定量的に解析する手法を確立したため、今回、シロイヌナズナ植物体内に局在するオーキシン(IAA)量、さらに、外部からIAAを与えた際に応答する代謝産物の変動を調べた。10-8 ~ 10-6 MのIAAを12時間与え定量解析を行った結果、IAA 10-7 M 添加時に、シュートでは有機酸濃度が減少し、根では増加した。さらに、シュートでも根でも塩基性アミノ酸の増加が見られた。これらの結果から、IAA添加による窒素代謝の変動が示唆された。本年会では、より短時間IAA処理を行った結果についても報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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