日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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イネ生殖細胞特異的Argonaute 蛋白質,MEL1と結合するsmall RNAsの同定
*小宮 怜奈大柳 一新濱 充渡部 聡朗渡邊 成樹筒井 康博望月 孝子神沼 英里中村 保一倉田 のり野々村 賢一
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p. 0034

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抄録

ARGONAUTE (AGO)ファミリーに属するイネMEIOSIS ARRESTED AT LEPTOTENE1 (MEL1)は、雌雄の生殖細胞の発生を維持する重要な遺伝子である (Nonomura et al., 2007)。さまざまな生物で、AGOがsmall RNAを介して、転写・翻訳制御や転移因子の活性を抑制し、発生等を制御していることから、MEL1によるsmall RNAを介したイネ生殖細胞の制御機構が示唆される。
そこで、MEL1抗体を用いたRNA-immunoprecipitation (RIP)によりMEL1と結合するsmall RNAsを抽出し、Illumina Genome Analyzer IIにより、small RNAsの網羅的な配列同定を試みた。MEL1と結合するsmall RNAsは5’末端にシトシン(C)を有した21 塩基長のものが多く、そのほとんどは遺伝子間領域 (intergenic region)に由来するものであった。また、MEL1と結合するsmall RNAsをイネゲノム上にマップしたところ、数百ものクラスタを形成した。本年会ではイネ生殖細胞発生過程におけるMEL1-small RNAクラスタについて報告する。本研究は文科省科研費若手研究(S) (21678001)の支援を受けた。

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© 2011 日本植物生理学会
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