2022 年 53 巻 1 号 p. 35-41
本稿では「コミュニケーションが苦手な学生」の支援として, 薬学生の架空事例を以下の3つの視点から検討する. 1つ目は, 発達・社会心理学的視点から「コミュニケーションの未学習, 誤学習」および「現実, 理想, 当為自己間の不一致」の可能性を述べる. 支援では, アサーションスキルの習得が有効となりうる. 2つ目は, 臨床心理学的視点から「社交不安障害」や「自己愛」の観点から見立てる. 支援では薬物療法と認知行動療法について論じる. 3つ目は, 神経発達症の観点から「自閉スペクトラム症」の可能性を考える. この場合, 自己理解や自己肯定感を高める関わりが重要となる. 支援には困難さの原因の正確なアセスメントことが求められる.