日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ新規MAPsの探索
*長崎(武内) 菜穂子濱田 隆宏橋本 隆
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p. 0065

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抄録
微小管は細胞小器官の配置決定や細胞極性に影響を与え、多様な微小管構造物に構築されて形態形成や環境応答において重要な役割を担う。この微小管構造物の構築と制御に関与するのが微小管付随タンパク質群(Microtubule-Associated Proteins;MAPs)である。生物種特異的な微小管構造の違いは、各生物種間で保存されていないMAPsに起因すると推測される。植物には動物や菌類には見られないユニークな微小管構造物が存在し、その構築と制御は多くのMAPsによって仲介される。本研究では、植物における微小管機能と制御メカニズムの解明を目的として、植物特異的なMAPsの探索を行った。
シロイヌナズナ培養細胞のミニプロトプラスト(脱液胞化プロトプラスト)から調整したMAPs画分のショットガン解析を行い、745種のタンパク質を同定した(濱田ら;第51回植物生理学会発表)。このうち246種含まれる機能未知タンパク質に注目し、スコアーが高い上位20分子のうち13分子の全長cDNAをクローニングした。シロイヌナズナの葉の表皮細胞で、一過的発現局在解析を行ったところ、6分子に微小管局在マーカーとの共局在が観察された。これらの分子の中にはカルモジュリン結合ドメインを含むものがあり、細胞内シグナル伝達との相関が期待された。
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© 2011 日本植物生理学会
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