日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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コウジカビ核マトリックスタンパク質の解析
*冨田 朝美野村 港二
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p. 0073

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抄録
真核生物の細胞核が核膜とクロマチン成分を取り除いた後に残る核マトリックスは、核の構造と機能を維持する上で重要である。過去の報告により、動物は核マトリックスの主要なタンパク質としてラミンを保持していることがわかっている。植物の場合は、ラミンは持たずNMCP1というタンパク質がそれに代わるものとして確認されている。しかし、菌類に関してはまだ核マトリックスタンパク質の同定はされていない。そこで本研究では、はじめに、コウジカビの核マトリックスを調製したところ、純度の高いコウジカビ核マトリックスを得ることができた。さらに核マトリックスが持つ顕著なタンパク質の解析を行なった。その結果、主要なタンパク質は分子量20-50kDa程度に分布していた。これらの分子量は、動物や植物における核マトリックスタンパク質が持つ分子量の範囲より小さかった。さらに、データベース上で解析したところ、動物の核マトリックスが持つラミンとの相同性はあまり見られなかった。このことから、菌類の核マトリックスを構成するタンパク質が動物や植物とは異なるものであること、さらに、菌類、動物、植物それぞれ異なる核マトリックスを有しているのではないか、ということが示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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