日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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誘導型ERボディの傷害に応答した細胞内挙動解析
*小笠原 希実初谷 紀幸西村 幹夫
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p. 0158

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抄録
ERボディは、アブラナ科植物の表皮細胞に存在する小胞体由来の新奇オルガネラであり、その機能はまだ詳細には明らかにされていない。ERボディは、シロイヌナズナの幼植物体の子葉に恒常的に存在する恒常型ERボディと、成熟葉において虫害や傷害を与えた際に傷口の周りに誘導される誘導型ERボディの二種類に分類できる。我々のこれまでの研究からERボディを可視化した野生株(GFP-h)の子葉の一方に傷害を与えた場合、傷害を与えた一方の葉と与えていないもう一方の葉の両方でERボディの数が著しく増加することを明らかにした。また、二種類のERボディの内容物は、どちらもβグルコシダーゼであるが、恒常型ERボディの内容物はPYK10、誘導型ERボディの内容物はBGLU18と異なっていた。このように二種類のERボディを比較解析することにより、恒常型、誘導型それぞれに異なった機能を持つことが強く示唆された(Plant Cell Physiol.2009)。本大会では、誘導型ERボディの傷害に応答した細胞内挙動について報告する。傷害誘導型ERボディが、ERから形成された後、どのような機能を果たすのかについても議論したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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