日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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IR-LEGOを用いたシロイヌナズナ根の単一細胞におけるWUSCHEL遺伝子発現誘導
*浦和 博子亀井 保博Sablowski Robert岡田 清孝
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p. 0205

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抄録
IR-LEGOは1480nmの赤外レーザーを用いて、光遺伝学的手法により、生体の単一細胞に遺伝子発現を誘導するシステムである(Kamei et al. Nat. Methods 2009)。1480 nmレーザーを生体細胞に照射し、加熱により熱ショックプロモーターを誘導し、目的の遺伝子を発現させる。長波長の光を用い、細胞傷害を回避している点、光受容に影響を及ぼさない波長を用いている点を特徴とする。
我々は、IR-LEGOを用い、根において、単一細胞でのGUS遺伝子発現に成功した(Urawa et al. Dev. Growth Differ., 2009)。赤外レーザー照射後も、細胞が正常に分裂、分化することから、シロイヌナズナ根において、遺伝子発現誘導のための照射による細胞傷害はないと考えられる。
シロイヌナズナにおいては、分子遺伝学的研究から、茎頂分裂組織(SAM)の形成維持には、WUS, CLV3の相互制御の重要性が明らかとされ、CLV3によるWUSの制御については報告がなされている。一方、WUSのCLV3制御に関しては、未だ明らかとされていない。
今回、我々はSAMの形成維持機構を知るために、IR-LEGOを用いて、WUS遺伝子をシロイヌナズナ根の単一細胞に発現させ、周辺におけるCLV3誘導について調べたので報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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