日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ナタネにおける元素の動態解析
*石橋 弘規野田 章彦荒牧 俊宣田野井 慶太朗山岸 順子中西 友子
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p. 0282

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抄録
ナタネ(Brassica napus L.)から得られる油脂は、食用油としてのみでなく、バイオディーゼルの原料としても重要である。ナタネの油脂生産量に影響を与える要因の1つとして、生育環境、特に養分環境があげられる。そこで、油脂生産向上を目的に、植物の生育過程における養分元素の吸収動態について測定したので報告する。
実験材料として、20℃、連続光で水耕栽培したB. napus(Westar)を用いた。経時的な元素吸収量を調べるため、10種類の元素について生育時期別の吸収量を調査した。種子を蒸留水で7日間栽培後に改変MGRL水耕液で水耕栽培した。播種後7日目~114日目の間、定期的に水耕液をサンプリングして元素濃度を測定し、元素濃度の減少量から24時間での新鮮重量あたりの吸収量を算出した。元素分析は、ICP-AES等を用いて定量した。多量必須元素(N、P、S、Mg、Ca)については、いずれも播種後日数が経過するにつれて減少した。微量必須元素(Fe、Mn、Zn、B、Cu)については、開花期前後でそれぞれ特徴的な吸収を示した。さらに、畑地で栽培したWestarについても元素分析を行い、各元素の吸収量を測定した。水耕栽培と土耕栽培での元素吸収動態を比較するために、RIリアルタイムイメージングシステムを用いてリンの吸収動態を撮影した。本研究は、株式会社コンポン研究所の助成を受けて行っている。
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© 2011 日本植物生理学会
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