日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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CLAVATA受容体によって制御されるMAPKが茎頂分裂組織の恒常性維持に寄与する
*別役 重之高橋 史憲木下 温子三輪 大樹篠崎 一雄福田 裕穂澤 進一郎
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p. 0340

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抄録
アラビドプシスの茎長分裂組織(SAM)においては、CLAVATA(CLV)経路が幹細胞集団のサイズ制御を行っている。そこでは、分泌型ペプチドリガンドとして機能するCLV3が、CLV1、 CLV2-SUPPRESSOR OF LLP1-2 (SOL2)/CORYNE (CRN)、RECEPTOR-LIKE PROTEIN KINASE 2 (RPK2)/TOADSTOOL 2 (TOAD2)からなる3つの受容体キナーゼ複合体を介して転写因子WUSCHELの発現を負に制御している。本研究では、これら受容体キナーゼ群によって制御されうるリン酸化シグナリングのCLV経路への寄与に関して調査した。その結果、CLV1がCLV3依存的にリン酸化されること、またそのリン酸化状態がCLV1に結合しうる他のCLV受容体によって影響されていることを見いだした。さらに、各CLV受容体とMAPK活性との相関を調査した結果、CLV受容体群によってMAPK活性のバランスが適切に維持されることがSAMの恒常性維持に重要である可能性が示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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