日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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クラミドモナス由来UDP-アラビノピラノースムターゼのリン酸化修飾
*辻 真喜石井 忠田幸 正邦小西 照子
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p. 0370

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抄録
UDP-アラビノピラノースムターゼ(UAM)はUDP-アラビノピラノース(UDP-Arap)とUDP-アラビノフラノース(UDP-Araf)の相互変換を触媒する酵素である。UDP-Arafはアラビノフラノース(Araf)残基の合成基質であることから、UAMはアラビナンなどAraf残基を含む糖鎖合成に関わっていると考えられる。これまでに、我々は大腸菌によりクラミドモナス由来組換えタンパク質を調整した。組換えUAMの酵素科学的性質を測定したところ、UDP-ArapおよびUDP-Araf対するKm値はそれぞれ6.5mM、0.2mMであった。一方、イネから精製したUAMのKm値はUDP-ArapおよびUDP-Arafに対してそれぞれ0.45mM、0.06mMであった。このことより、組換えUAMではイネ由来UAMに比べ、UDP-Arapに対する親和性が低いことが分かった。酵素はリン酸化や糖鎖の修飾を受けることで、その活性が制御されることが知られている。そこで、UAMのリン酸化について検討したところ、クラミドモナスから精製したUAMはリン酸化修飾されていることが明らかとなった。現在、UAMにおけるリン酸化修飾と酵素活性ついて解析を行っている。
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© 2011 日本植物生理学会
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