日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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群体性微細藻Botryococcus brauniiの形質転換系の検討
*内田 英伸正岡 祥吾兼田 昇岡田 茂大濱 武
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p. 0395

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抄録
群体性微細藻Botryococcus brauniiのB品種は良質な燃料となる液状炭化水素を大量に生合成する。しかし、増殖速度が非常に遅いため炭化水素生産効率が低く、遺伝子組換えによりバイオマス生産能を向上させる必要がある。この藻類における遺伝子導入系を確立するために、形質転換体を選抜する薬剤種とその有効濃度を調べた。2500 luxの白色光を照射、2.5 % CO2を通気、Chu13液体培地にて1.5x105群体/mlの濃度まで藻体を培養後、さまざまな種類と濃度の薬剤を添加した寒天固化培地上に0.3 mlの培養液をイノキュレート、3週間培養、藻体の増殖を観察した。その結果、薬剤を添加しなかった固化培地上では藻体の増殖が確認されたが、20 mg/l, 10 mg/lのハイグロマイシン、100 mg/l, 50 mg/lのスペクチノマイシン、6 mg/lのゼオシンそれぞれを添加した培地上では増殖が確認されなかった。現在、細胞壁分解酵素の前処理が藻体の薬剤感受性を変化させるかどうかを解析するとともに、ヒートショックタンパク質70, ルビスコ小サブユニット, スクアレン合成酵素の遺伝子5’上流域のゲノム断片をRESDA-PCRにより増幅している。本研究を行うにあたり奈良女子大学の野口哲子博士のご協力と、財)日本証券奨学財団からの平成22年度研究調査助成の支援を受けた。
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© 2011 日本植物生理学会
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