日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Synechocystis sp. PCC 6803 における光合成電子伝達に依存的な転写因子PedRのチオレドキシンとの相互作用の解析
*門脇 太朗堀内 真由美中村 絹小島 幸治西山 佳孝畠山 和佳子久堀 徹日原 由香子
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p. 0534

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抄録
シアノバクテリアには、ほぼ全長がLuxR型のDNA結合モチーフから成る低分子量転写因子が高度に保存され、それらはC末端に特徴的な3つのシステインを保持している。我々はSynechocystis sp. PCC 6803のLuxR型低分子量転写因子PedRの二量体が、一連の強光応答性遺伝子の発現を、光合成電子伝達活性に依存して調節していることを明らかにした。Pull down法により、PedRと相互作用する因子を探索したところ、チオレドキシンが同定され、さらにin vitro でチオレドキシンがPedRを還元することが確認された。また、チオレドキシンに還元力を供給するフェレドキシン-チオレドキシン還元酵素、またはNADPH-チオレドキシン還元酵素の遺伝子破壊により、強光下でのPedRの構造変化、標的遺伝子の発現変化が失われたことから、in vivo においてもPedRがチオレドキシンより還元力を得ていることが示唆された。現在、チオレドキシンの標的となるシステイン残基を同定するために、3つのシステイン残基をそれぞれセリンに置換したPedRを大腸菌内で大量発現・精製し、チオレドキシンとの相互作用を解析している。
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© 2011 日本植物生理学会
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