抄録
我々は、比較ゲノム解析が簡単にできるSALAD database
(http://salad.dna.affrc.go.jp/salad/) を作成、公開してきた。SALAD databaseでは、進化的に保存されたアミノ酸配列(モチーフ)の組み合わせによりタンパク質を分類し、タンパク質同士の関係をグラフィカルに表示することができる。現バージョンでは10種の比較解析が可能だが、それ以外の生物種の情報も利用したい人に向けて、Blasting SALAD Analysisというユーザリクエスト型のシステムを作成した。このシステムでは、ユーザの興味ある配列を使って幅広い生物種のゲノム情報(phytozome等に登録されている17種以上のゲノム情報、加えて、uniprotの植物のゲノム情報)から、BLASTを利用して相同性のあるアミノ酸配列を集めることができる。そこから生物種ごとに相同な遺伝子数を示したテーブルを使って、アミノ酸配列セット(50個以下)を生成し、その配列セットで、通常のSALAD databaseと同じ保存モチーフを利用した比較解析ができるようになっている。特定のパラログ・オーソログの比較解析に非常に便利な機能である。さらに、SALAD databaseでは大幅なバージョンアップに向けて、各保存モチーフにIDを割り振るという作業も進めているので、そのことについても報告する。