日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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22,651のオオムギ完全長cDNA配列の作成と機能解析
*田中 剛松本 隆坂井 寛章天野 直己金森 裕之栗田 加奈子菊田 有里神谷 梢山本 麻裕伊川 浩司藤井 信之堀 清純伊藤 剛佐藤 和広
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p. 0554

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抄録
完全長cDNA(FLcDNA)配列はゲノム上の発現遺伝子の構造を表しており、遺伝子のORF予測や機能推定するために重要である。またFLcDNAクローンは遺伝子機能を実験的に解明するには欠くことのできない資源となっている。今回我々は日本のオオムギ品種である「はるな二条」から17万2千以上のクローンを含む12のライブラリーを作成し、最終的に24,783のオオムギFLcDNAの配列決定を行った。現在利用可能なオオムギFLcDNAとの比較から22,651のオオムギ代表FLcDNAセットを作成し、そのうち17,773は新規オオムギFLcDNAだった。配列の完全長性はFLcDNA長やORFの予測結果などイネやトウモロコシのFLcDNAセットと同様の質であることを確認した。GOによる遺伝子機能分類などの特徴はイネのFLcDNAと似ており、今回のFLcDNAセットはイネ遺伝子セットと同様の多岐にわたる遺伝子を含むことがわかった。4種の単子葉ゲノムとの配列比較から1,699はオオムギ特異的な配列であったが、263しか機能ドメインを持たず、配列長も保存されたFLcDNAに比べて短かった。現在公開用データベースを開発しており、オオムギFLcDNAを利用した配列解析が可能となる予定である。
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© 2011 日本植物生理学会
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