日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの葉の形成とmicroRNAの発現制御に関わるAS1およびAS2タンパク質の相互作用
*上野 宜久杉山 将宏川端 真一町田 泰則
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p. 0624

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抄録
シロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES1 (AS1) およびAS2は、葉の軸方向に沿った発生とmicroRNAであるmiR165/166などの発現制御に関与する。AS1はMybドメインを、AS2はAS2/LOBドメインをそれぞれ有するいずれも転写制御因子として機能するが、AS2/LOBドメインの生化学的知見は十分蓄積していない。AS1およびAS2タンパク質は植物細胞内で複合体を形成していると考えられる。これを検証するため、まず酵母2ハイブリッド法により相互作用領域の絞り込みと相互作用に要するアミノ酸残基の同定を試みた。その結果、AS2はAS1のN末端側 (AS1N) およびC末端側の両方に独立に相互作用した。得られた変異型AS2の一つであるAS2 (L95P) は、AS1Nとの相互作用能を失っていた。変異型AS2 (L95P) とAS1との融合タンパク質を強制発現させるとas2変異体の葉の形態を部分的に相補できたが、AS2 (L95P)単独の強制発現では表現型およびmiR165/166蓄積抑制のいずれにも効果が認められなかった。以上から、L95P変異によってもAS2はAS1Nとの相互作用能以外の機能は損なっていないことと、miR165/166の発現と葉の発生を制御するにはAS2とAS1Nとの相互作用が必須であることが示唆された。
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© 2011 日本植物生理学会
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